[レビュー]『ストランド版 続シャーロック・ホームズの冒険』

シャーロック・ホームズ作品が初めて世に出たのは、最初の2作品(「緋色の研究」および「四人の署名」)を除き、「ストランド・マガジン」というイギリスの月刊誌です。

ストランド・マガジン掲載時のレイアウトと内容をそのまま再現したものを「ファクシミリ版」(the facsimile edition)と呼び、私も全話を収録したファクシミリ版ホームズを持っています。

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20 歳のころシャーロック・ホームズ博物館のオンラインショップから買ったもの。

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全話収録されているので分厚い。

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ストランド・マガジンのレイアウトを再現。

そして、なんとその日本語版が出ました。ストランド・マガジンのレイアウトを再現した翻訳本です。どうやら自費出版のような形で出版されているようです。

過去にも出版されていたらしいのですが、その時は気付かず・・・。その時は予約の時点で売り切れになったらしいので、今回は予約が始まったらすぐに Amazon で注文をしました。

発売日になって商品が届きましたが、今回は売り切れにならず、現時点でも販売が継続しています。

制作をされた方は翻訳および挿絵を高精細版に修正されているようで、その作業過程を Twitter で公開されており、それを見るのも面白かったです。挿絵の修正もすごいのですが、ページにピッタリ収まる翻訳に文章を調整するのも苦労をされたようです。

ストランド版 シャーロック・ホームズ (@strand_japan) | Twitter
https://twitter.com/strand_japan

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裏側のココアの広告まで再現されています!

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ほとんどの出版社のホームズ本は、挿絵の色が潰れています。ほとんど何だか分からないものさえあります。しかし、本書はビックリするほどきれいなイラストです。

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オマケとして付いてきたポストカード大の挿絵の一コマ。

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しおり2枚もオマケとして付いていました。オリジナルのイラストに色を付けたものです。

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その裏側。

収録作品は「シルバー・ブレイズの冒険」「ボール箱の冒険」「色褪せた顔の冒険」「株式仲買店員の冒険」「グロリア・スコット号の冒険」「ライゲート郷士の冒険」「曲がった男の冒険」「患者付き医院の冒険」「ギリシャ語通訳の冒険」「海軍条約文書の冒険」「最後の事件」です。既存の翻訳と違って、原題に合わせてちゃんと「〜の冒険」としていますね。

絶対需要がある本だと思うので、大手から出せばいいのにと思います。また、お一人で制作されているようなので、これもチームを組んでやれば出版のペースを上げられそう(手伝いたい人はいるはず。私だって手伝いたい!)。最終的には合本化して一冊の本にすると面白いはず・・・などと、人の本ですがいろいろとアイデアが広がります。

次の本も制作中のようですので、楽しみです。

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