[読書メモ]『シャーロック・ホームズの帰還』(河出書房新社単行本)

シャーロック・ホームズの帰還 (シャーロック・ホームズ全集)
アーサー・コナン ドイル
河出書房新社
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p66
ありがたいことに、わたくしにも分別はありましたから、彼の求婚を断って、貧乏だけれど、もっと善良な人と結婚いたしました。

p123
「さあ、ワトスン、白状したまえ。ほんとに驚いたってね」
「驚いたさ」
「驚いたってことを紙切れに書いて、署名をしてほしいね」

p136
彼はわたしの存在などまるで忘れてしまったようすで、完全に作業に没頭していた。作業が進展して、口笛や歌が出ることもあれば、行き詰まって、ひたいにしわを寄せ、うつろな目をして、長い間座っていることもあった。やがて、彼は満足げな声を出して、いすから急に立ち上がり、しきりに両手をこすりながら、部屋中を歩き回った。

pp136-137
正直言って、わたしは聞きたくてたまらなかったが、ホームズは、自分の好きなときに、好きな方法で、種明かしをするのが好きなことを知っていたので、待つことにした。その時が来れば、種明かしをしてくれるだろう。

p140
「[…]わたしも捜査に加えていただけますか。それとも独自に動いたほうがいいでしょうかね」
「ご一緒していただければ光栄ですね、ホームズさん」と、警部は熱を込めていった。

p163
彼の学問的名声の重さをささえるには小さすぎると思われる名刺が彼自身があらわれるほんの少し前に取り次がれた。

p261
「それはいい。覆面はどうしようか」
「ぼくは黒の絹布で二つ作るよ」
「君はこういうことに生まれながらとてもむいているようだね。[…]」

pp265-266
わたしたちの指命の高い目的、非利己的な、婦人を守る騎士道的なものであるという意識、わたしたちの敵の極悪な性格、すべてが、この冒険にスポーツをする時のような興味を加えていた。

p275
わたしは法律では裁けないある種の犯罪というものが存在すると思います。

p291
あなたは自分の方法ですすめて、わたしはわたしの方法でいきましょう。そして、あとで両者のメモを比べて、おたがいに補いあいましょう[。]

p300
彼も鉛をつめた狩猟用の乗馬むちを手にとった。彼のお気に入りの武器だ。

p314
ベイカー街の住み慣れた環境を離れて以来ホームズの機嫌はあまり良くなかった。あのスクラップブックや、化学実験道具や、心地のよい乱雑さがないと、落ちつかないのだ。

p365
「スーザンはいなか出の娘でして」と、教授は言った。「ああいう育ちの子の信じがたい愚かさは、あなたもご存知でしょう。[…]」

p369
再び立ち上がったとき、わたしはホームズの目がきらきらと輝き、頬に赤みがさしているのに気づいた。こういう戦闘開始の旗は、いざという場面でしかひるがえらないものだ。

p387
オウヴァトン青年は頭より筋肉を使うのに慣れた人間らしく、その顔には困ったような表情が浮かんだが[…]

p434
おそらく、わたしのように特別な知識や能力を持っていると、簡単に説明できる場合にも複雑な説明を求めてしまうのでしょう。

p447
「君の判断を信じるよ」
「よくできた答えだね、ワトスン。[…]」

p449
クロウカ船長、葉巻でも吸って、気を落ちつかせてください。あなたが普通の犯罪者だと思ったら、ここで一緒に葉巻など吸ったりしません。

p475
「さて、ワトスン、女性は君の担当分野だ」

p480
もし、この事件をうまく解決できれば、ぼくの経歴に最高の栄誉が与えられるというものさ。

p484
ホームズの引き締まった顔つきを見て、彼が興奮のあまりに身震いしているのが、わたしにはわかった。

p496
次の朝、わたくしのしましたことは、一つの悩みを、別の悩みにすり変えただけなのだ、ということに気がついたのでございます。

p611
アーサー・コナン・ドイルは古典について、自らの学生時代の思い出という形で、自伝で以下のように述べている。「ウェルギリウスやホメロスが何であるのか、或いは古典とは何ぞやといったことを何も教えず、その作品の断片を与えるというのは、子供に古典を教える方法として馬鹿げたやり方なのは確かである。賢い子供が相手ならば、ホメロスの良い翻訳を一週間読んだほうが、通常学校で行われているように原文を一年がかりで学ぶよりも、遥かに得るところが大だろう、と私は確信している」

p660
私はかつてフォアグラのパイを食べ過ぎたことがあって、今ではその名前を聞いただけで胸が悪くなる思いがするのです[。]

p667
シャーロック・ホームズ譚のおよそ半数は、厳密に法律的な意味では何の犯罪も起きていないのです。

p668
彼らはドイルに対して、強く主張することはしなかったものの、アメリカを舞台にした物語かアメリカに関わりのある物語を幾つか書いて欲しいという希望を抱いていた。

p693
僕の知る限りでは、大学の職員は肩書を正しく使うことに関して、非常にやかましいものだ。

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