show-off:見せびらかし

高校生の頃、社会科の先生で少し変わった先生がいました。

ある時、「これからの時代は自分の能力をどんどん人に示していかなければいけない」と言っていたことがありました。当時の私は特に納得するわけでもなく、適当に聞き流していました(そのわりには覚えていますが)。

シャーロック・ホームズも同じようなことを言っています。

謙遜を美徳のひとつに数える一派には与(くみ)しないんだ。 – 「ギリシア語通訳」(『回想のシャーロック・ホームズ』創元推理文庫 p308)

BBC の『Sherlock』では自分の頭の良さを見せつけるシャーロックに対して、ジョンは show-off(見せびらかし)だと小言を言っていました。原作では単に「ホームズ、すごいよね」という雰囲気なのをあえてひねっているところが BBC 版の面白いところです。

高校時代から 20 年経った今、社会科の先生の言っていることが理解できるようになってきました。フリーランスとして仕事をしていると、「私はこんなことができます」と示すことが普通だからです。

保育園の保護者会や子育て講座は Zoom で開催されています。私は Zoom のバーチャル背景をロンドンの動画にしたり、部屋風のイラストを作って窓からロンドンの景色が見えるようにしたり子どもの写真が飾ってあるようにしたり、技術をいろいろ駆使して凝ったものにしたりしています。自分のスキルを “見せびらかして” いるんです。幸い先生には褒めていただいています。ちなみに、そんなことをしているのは私だけで、他の人は普通にスマートフォンで Zoom に参加しています。

まあ、Zoom に限らずこのサイトでも「こんなことできました!」とよく発表しています。私はそうやって show-off し続けるんでしょう。

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