[読書メモ]『ミステリマガジン 2019年05月号 特集:シャーロック・ホームズ・アカデミー』

p11
『緋色の研究』が掲載されたのは、《ビートンズ・クリスマス・アニュアル》という、年刊誌でした。そのあとに単行本になったわけです。短篇が連載されて人気を呼んだのは、《ストランド・マガジン》という月刊誌でした。

p12
三つは別々のアプローチ方法だということは憶えておかないと、シャーロッキアンの世界を知ることにはなりません。

p13
日本では綴りに引っ張られてホームジアンと言われることが多いですが、本来の発音はホーメジアンです。

p13
ホームズ物語を正典__キャノンと呼ぶのは、聖書研究からきています。失われた原本を回復して聖書の中身を研究していく “高等批評” といわれる手法を、シャーロッキアンがパロディとして取り入れたんですね。

p14
ホームズ物と現代の謎解きミステリを比べることには、あまり意味がありません。そもそも、探偵小説というものが確立されていない十九世紀末の小説であり、ホームズとワトスンの冒険小説と言っていいくらいだからです。都会小說と解釈する人たちもいます。

p19
一九二七年、亡くなる三年前に撮影された本人のインタビュー映像が残っています。

p26
「赤毛組合」は、質屋から主人を遠ざけておいて、地下道を掘って銀行強盗をする話。「赤毛トリック」という言葉を生み出しました。

p27
正典の六十篇を読んでいくうちに、これは前にもあったトリックだなとか、欠点を上げればいろいろ出てきます。でも不人気でも実は味があるものとか、他人はともかく自分にとって面白い作品や興味のある作品というものもあります。上位の人気作品がすべてではないということを、読んでいってわかってほしいですね。六十篇のすべてを愛さなければいけないのがシャーロッキアンなのかもしれません。

p34
キー・コスチューム

p39
パロディの場合、別物だというのは誰にでもわかっているわけですが、それに対してパスティーシュは、巧妙につくられていると、本物と見分けがつかない偽物をつくることができるかもしれないという意味合いが出てきます。

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