「地球が月のまわりをまわっている」問題

以前母親と中華料理を食べに行ったことがありました。

そのとき僕が「これは何?」と料理の名前を聞いたら、そんなことも知らないのかとバカにされました。

僕は食事にあまり興味がない人間です。料理の名前を覚えるなんてどうでもいいことです。実際にそのとき教えてもらった料理名をまた忘れています。

食事に興味がないだなんて言う自分は特殊だと思っていましたが、以前参加した読書会で同じことを言う若い女性がいてちょっと安心した覚えがあります。

『緋色の研究』で、地球が太陽のまわりをまわっていることをホームズは知らないと書かれています。

「それにしても、太陽系の知識ぐらい!」私[ワトスン]は抗弁しようとした。
いらだたしげにそれをさえぎって、ホームズはつづけた。「それがぼくにとってなんの役に立つんです?われわれは太陽のまわりをまわっている、そうきみは言う。ですがね、たとえわれわれのまわっているのが月のまわりであろうと、それはぼくにとって、あるいはぼくの仕事にとって、これっぽっちの差異ももたらすわけじゃないんです」
__『緋色の研究』(アーサー・コナン・ドイル、創元推理文庫:p30)

これに関して、「ホームズはちゃんと地球が太陽のまわりをまわっていると知っているんです。ちゃんと別の事件で天動説の知識がないと成り立たない推理をしています!」「ホームズはワトスンをバカにしているだけです!」などとホームズを弁護するホームジアンがいます。でもホームズが地球が太陽のまわりをまわっていることを知っているかどうかは本質ではないと思います。

ホームズが言いたいのは「バカバカしいことには付き合うな」ということだと思います。裏を返せば、「何を大切とするか、何が重要か、は自分で決めよ」ということです。

僕がサラリーマンだったころ、バカバカしいことを大切であるかのように言ってくる人がたくさんいました。どう考えても意味がない飲み会などに参加するのは苦痛でした。

サラリーマン時代の僕に必要だったのは『緋色の研究』だったのです。

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