「シャーロッキアン、こわくないですよ」問題

僕は中学生のころホームズが好きになり、そのころからホームズ関係の本を読んでいました。ホームズ関係の本にはたいてい最後にホームズクラブについて紹介がしてあります。「入会に興味がある方はこちらへ」と住所が載せてあるのです。

シャイな子ども時代の僕にはホームズクラブに入会するなんて違う世界の話だと思っていました。

でも社会人になったり、近年のここ5年ほどホームズがマイブームになったりするなかで、ホームズクラブに入ってみようかなと考えることもあるわけですが、どうしても踏み切れない自分がいます。

クラブは楽しそうだと思う一方で、僕は昔から楽しそうにしている人たちの輪に入るのが苦手だったので、無理して入っても楽しめないと想像がつきます。そしてホームズが好きだからこそ、自分のパーソナリティーのことでホームズを楽しめなくなるようなことになったら悲しいです。

ホームズクラブは昔と比べたら入りやすくなっていると思います。ネットで中の様子がちょくちょく公開されたり、会員の方の言葉が外部に伝わりやすくなっているからです。ガラス張りのお店と同じで、中が見えると入りやすいです。

ときどき Twitter などでホームズクラブの「中の人」が「シャーロッキアン、こわくないですよ」と書いているのを見かけます。どういうクラブか分からなかったり、入会をためらっている人に、こわくないから大丈夫だと言ってあげている意図だと思います。

でも逆に「シャーロッキアン、こわくないですよ」と言うことがクラブの閉鎖性を象徴することになっているのではないでしょうか。

「シャーロッキアン、こわくないですよ」は内輪のジョークだということは僕のような外部の人にも雰囲気で分かってきます。書いていなくても文末に「(笑)」と意図していることが分かります。友だち同士だけで楽しんでいる感じが、部外者にとってまさに “こわい” と思ってしまうんです。

ネットで中の情報が見えやすい時代だからこそ、外に出る情報に関しては内輪感は出してほしくないです。

組織の家族主義的な感じや、お友だち同士で固まっている感じが、これから入ろうかと考えている人にとって、「そこにうまく入れなければ排除されるかも」という不安があります。

「そんなことはない」と中の人は言うんでしょうが、「シャーロッキアン、こわくないですよ」の雰囲気がそう思わざるを得ません。

これと同種のことはあらゆる組織で起こり得ることなので、ホームズクラブだけの話ではありませんし、上記のようなことを気にする僕は少数派かもしれません。でも、外部の(一部の)人からどう見えているかという視点で意見を述べてみました。

とりあえず現状の僕は、ときどき遠くから双眼鏡で覗くポジションでホームズクラブを観察していきます。

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