[英語] the second floor は何階か

今月参加する読書会に備えて『バスカヴィル家の犬』を各出版社で読み比べています。

夜な夜な屋敷内で何かしている執事のバリモア。サー・ヘンリーとワトスンはその現場を取り押さえてバリモアに問い詰めるシーンがあります。

バリモアは窓の点検をしていると言い訳をすると、サー・ヘンリーが次の言葉を言うのです。

「2階の窓をか?」

1階でもないのに窓の鍵の点検をするのはおかしいというわけです。

この部分に関して、各出版社の訳を比べてみましょう。

新潮文庫「二階の窓のしまりを見る必要があるのかね」(p142)
ちくま文庫「二階の窓を?」(全集5巻 p549)
創元推理文庫「二階の窓もか?」(p178)
角川文庫「二階の窓も?」(p165)
光文社文庫「二階の窓を?」(p174)
河出書房新社「三階をかい」(単行本 p157、河出文庫 p198)

河出書房新社だけ3階!

ちょうど河出書房新社にはその部分に翻訳者による注が付いています。「通例、英国では first floor といえば、日本の二階をさす。ここでは “second floor” となっているので、『三階』と訳した」と書かれています。

たしかにイギリスを始めヨーロッパでは1階は ground floor で、2階が first floor、3階が second floor ・・・のように数えます。『バスカヴィル家の犬』の原文でも “On the second floor?” となっているので、「三階をかい」が正しいはずです。私もそう思います。

なのに、河出書房新社以外、すべて2階となっているので、3階ではなくて2階なのかな・・・と自信がなくなってきました。いやいや、多数派に屈するのではなく、原則を守るべきだ、などと変な葛藤をしたり。。。

昔は階の数え方が違っていたのかもと思って海外のページを軽くググってみましたが、それらしき資料は見当たりませんでした。また今度本格的に英語史の資料を探してみようかなと思います。

・・・と思っていたら、同じことを書いている人がいました。

バスカヴィル館、窓は二階か三階か | トコトン英語
freeenglish.jp/the-second-floor.html

たしかに、アメリカ生活が長いサー・ヘンリーは、アメリカ風に2階を意図したのかもしれませんし、田舎の屋敷で3階まである可能性は低いのも納得です。

それでも憶測の域を出ていないので、もうちょっと研究を続けてみます。

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