[英語] bittern サンカノゴイ

「バスカヴィル家の犬」に出てくる鳥の名前として bittern(サンカノゴイ)があります。

イギリスのクイズ番組 “Countdown” では辞書学者が単語の語源を教えるコーナーがあり、2023 年 10 月5日放送回で bittern の語源について話されていました。

鳥の名前には「カッコー」のように鳴き声が元になっているものがありますが、bittern の語源もその一種だそうです。bittern は鳴き声が牛に似ているということで、もともとはラテン語で「鳥」を意味をする butio と「牛(bull)」を意味する taurus の合成語でしたが、形を変えて現在では bittern になった、というわけです。

参考までに創元推理文庫版『バスカヴィル家の犬』(pp135-136)から bittern について書かれている箇所を引用しておきます。

「泥沼というのは、ときとして奇妙な音を出すものでしてね。泥が沈下するときとか、水が噴きだすときとか、その他いろいろ」
「いやいや、そういうものとはちがいます。いまのはたしかに生き物の声でした」
「なるほど、あるいはそうかも。ひょっとして、サンカノゴイという鳥が嗚くのを聞かれたことはありませんか?」
「いや、あいにくと」
「きわめて珍しい鳥です――ほとんど絶滅したと言ってもいい――すくなくとも、現在のイングランドでは――しかし、このムーアでは、いかなることも起こりうる。そうです、いまわれわれが聞いたのが、そのサンカノゴイの最後の生き残りの叫びだと言われても、わたしはさして驚きませんね」

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